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大キレットを越えて・・・槍穂縦走(2009.8.7-9)

大キレット


登山を始めて3年、憧れの大キレットをポチと二人で越えてきました。



<過去記録>

今年の夏山のメインテーマの「キレット越え」、なかなか梅雨が明けず日程の見直しを余儀なくされましたが、8/7~8/10の4日間(うち1日は予備日)で槍から前穂まで縦走することにしました。

行動計画

   一日目:上高地→ヒュッテ大槍(コースタイム 8:00)

   二日目:ヒュッテ大槍→槍ヶ岳山荘→南岳→北穂→穂高岳山荘(コースタイム 9:00)

   三日目:穂高岳山荘→奥穂→前穂→上高地(コースタイム 7:30)

   *二日目の宿泊地は状況により、南岳小屋、北穂高小屋も検討
   
   *エスケープルート:天狗原、涸沢
一日目(上高地→ヒュッテ大槍)

2009.8.7(金)

<行程>

上高地(5:40)→明神(6:28-6:42)→徳沢(7:28-7:48)→横尾(8:43-8:53)→一ノ俣(9:43-9:50)→
槍沢ロッヂ(10:22-11:00)→天狗原分岐(13:08)→ヒュッテ大槍分岐(14:20)→ヒュッテ大槍(15:08)


前夜のうちに柏を発ち、途中道の駅「風穴の里」で仮眠をとり、早朝沢渡の駐車場に入りました。乗合タクシーの人数もすぐに揃い、上高地に向かいます。

5:40 どんよりとした空模様のなか、今回の山行がスタートしました。  カッパ橋からの穂高も霧に煙っています。

明神に着く頃にはポツポツ雨が落ちだし、徳沢園の軒先を借りて完全雨装束を整えます。

横尾から槍に向かう登山道は今回初めて歩くので、とても楽しみにしていましたが、生憎の天候で写真を撮る機会もありません。ただ、メボソムシクイとコマドリ、ウグイスの鳴声だけが私たちの耳を楽しませてくれます。

槍沢ロッヂの手前でいよいよ本降りになって来ました。 とにかく寒いです。

温かいうどんを注文して暖をとり、小降りになるのを待ちます。





霧に煙る梓川  槍沢を詰める


いくらか小降りにになったので、先を急ぎます。

未だしっかり雪渓も残っています。  花々が気持ちを和ませてくれますが、写真を撮る余裕はありません。

坊主の岩屋の手前で右に折れ、ヒュッテ大槍の立つ東鎌尾根まで一気に高度を上げます。

風も強くなり、一段と寒くなりました。 雨も相変わらずでいつに無くペースが上がりません。

10歩歩いては立ち止まると言うような状況で、震えもきて、先月のトムラウシの遭難事故が頭を過ぎります。

ポチの励ましの声に押されて、何とか稜線に到達することが出来ました。

15:08 ヒュッテ大槍着  上高地から9時間28分の長旅でした。


シナノキンバイに癒される  槍沢の雪渓


ヒュッテに入って受付をしようとすると、一人に一本乾いたタオルを手渡してくれました。どうぞ体やカッパを拭いて下さいとのこと。おもてなしの心遣いに感激しました。さすが、燕山荘グループの山小屋です。

小屋はかなり混んでおり、乾燥室も一杯で干すことも出来ません。仕方なく廊下に置いたザックの上にカッパをかけました。

やがて「雨が上がりました」との声がかかり、外へ出てみると、槍の穂先や北鎌尾根がくっきり見えました。



ヒュッテおおやりの玄関  北鎌尾根


天侯は急回復してきました。  常念も顔を出してきました。

槍もその大きな影を西岳に落としています。



常念も顔を出す

穂高方面も良く見えます。


前穂北尾根


大天井岳が西日に輝いています。 明日の好天を期待します。

大天井岳


肩ノ小屋も見えます。     明日は先ず槍を目指します。

明日は槍を目指す





二日目(ヒュッテ大槍→槍ヶ岳山荘→南岳→北穂高小屋)


2009.8.8(土)

<行程>

ヒュッテ大槍(6:05)→槍ヶ岳山荘(7:00-7:34)→大喰岳(8:08-8:16)→中岳(8:54-9:15)→南岳(10:50-11:05)→南岳小屋(11:20-11:40)→A沢のコル(14:10-14:20)→北穂高小屋(16:15)


朝起きると、残念ながら一面真っ白、小雨も降っていました。

今日の行程をどうするか、検討会を開きます。

とりあえず槍の肩まで行って、天候回復が望めないようなら槍沢を下って下山、回復が見込めるようなら3000m峰三つのピークを踏んで南岳小屋へ。

南岳小屋での到着時刻と天候判断でキレットを越えるか南岳小屋泊まりとするかを最終決める。

以上を決めて、上下カッパを着込んでヒュッテ大槍を後にしました。



ヒュッテ大槍を小雨の中出発1  ヒュッテ大槍を小雨の中出発2


稜線上でライチョウと遭遇しました。   久しぶりライチョウさんとのご対面は嬉しい反面、悪天を暗示しているようで複雑な気持ちです。


今日最初のライチョウ


7:00 槍ヶ岳山荘に到着しましたが、天気は相変わらずで穂先も全く見えません。小屋前は出発を逡巡する人々で溢れかえっていました。昨年穂先には登っていますので、今回はパスします。

後日知った話ですが、このとき槍ヶ岳山荘にはNHK番組(内多アナが立山からジャンダルムまで縦走する)のロケで田部井淳子さんがいらっしゃったそうです。

最初の決断ポイントです。 天候の様子をしばらく見ることにしました。 小屋のテレビの天気予報は回復予想、雨も上がり飛騨沢方面からの風でガスも少しずつ払われてきています。

南岳目指して稜線歩きを開始することにしました。

一旦飛騨乗越まで下り、大喰岳まで登り返します。 周囲の景色が見えないため3000m峰登頂の感激はありませんでした。



飛騨乗越を通過  大喰岳山頂

空も明るくなってきて、中岳の山頂もはっきり見えるようになって来ました。

中岳山頂が見えてくる  中岳山頂

槍沢側を見下ろすと昨日宿泊したヒュッテ大槍が小さく見えます。

槍沢から東鎌尾根へのジグザグの登山道もはっきり見え、昨日の苦しさがよみがえります。

ヒュッテ大槍への道2

中岳からの下りで大きなミスを犯してしまいました。 二つ前を先行するパーティーの後をついて行ってペンキマークをロストしてしまったのです。

一つ前のパーティーの人達とも手分けしてルートを探しますが、結局かなり戻ってペンキマークを見つけることが出来ました。本来、左下に直角に曲がって降下するところを直進してしまったのです。天候も回復していて事故にならずに済みましたが、「何となくついて行く」ことのリスクを再認識しました。常に自分が先頭にいるつもりで行動します。

天狗原への下降点も過ぎ、南岳山頂も間近です。

天狗原への分岐  南岳山頂も間近


南岳山頂を踏み、小屋を目指して降って行きます。


南岳山頂  南岳小屋を目指す


本日二回目のライチョウさんとの遭遇です。


今日2回目のライチョウとの遭遇


11:20 南岳小屋に到着しました。  二回目の判断ポイントです。

時折ガスが流れてきますが、天候はまず問題なさそうです。

時間的にもコースタイム3:30で、15:00には北穂高小屋に辿り着けそうです。

大キレット越えを決断しました。 11:40 降下を開始します。


南岳小屋  獅子鼻前の道標


有名な獅子鼻を背にして、大キレットの底に降りて行きます。

ザレた道を慎重に一歩一歩進みます。

獅子鼻を背に大キレットの底に降りる


長い鉄ハシゴで一気に高度を下げます。



絶壁を降りる  長い鉄ハシゴ


正面に北穂の山頂がはっきり見えるようになりました。


北穂が出てくる

振り返ると南岳側は視界が開け、獅子鼻が良く見えます。


振返ると獅子岩


緊張が続きますが、小さな花にホッとします。

左手に常念岳もその端正な姿を見せています。


チシマギキョウに癒される  常念もすっきり


イワヒバリがすぐ傍まで遊びに来てくれました。


イワヒバリ


核心部、長谷川ピークを越えます。


核心部長谷川ピークを越える1


核心部長谷川ピークを越える2


鮮やかなキバナノコマノツメの花


岩場にキバナノコマノツメ


ミヤマアキノキリンソウとオンタデ


ミヤマアキノキリンソウ  オンタデ


14:10 A沢のコル  コースタイムより30分遅れ。  10分の休憩を取ります。


A沢のコルを通過

越えてきた長谷川ピークを振り返ります。


長谷川ピークを振返る


北穂の小屋が見えて来ました。(右側の岩の左上)


北穂小屋が見えてきた


飛騨泣きを通過します。


飛騨泣きを通過

本日、三回目のライチョウさんとの遭遇です。


今日3回目のライチョウとの遭遇


北ホ あと 200m のペンキマークに励まされます。


イワヒゲ  北ホ、アト200m

北穂山頂までの直登部分に差し掛かったところで、雨が降り出しました。後もう少しの頑張りです。

16:15 やっとテラスの脇から小屋に到着しました。

やっと北穂小屋にたどり着く


コースタイムに55分も遅れてしまいましたが、無事キレットを越えることが出来ました。

すれ違いも少なく、怖さはありませんでしたが、連日の長時間の行動で、体力的に負担が大きかったように思います。

岩稜歩きの楽しさを満喫することが出来ました。

名物の生姜焼きの夕飯を美味しく頂き、明日の作戦会議です。

ここから予定通り、奥穂、前穂と回って岳沢を下ると、コースタイム9:00を超え、私達の足だと間違いなく11:00はかかりそう。

疲れた足での吊り尾根や、重太郎新道の下りは事故の元と言うことで却下。

かと言って北穂→奥穂間は昨年歩いているので、穂高岳山荘泊まりはもったいない。

と言うことで、前穂は宿題に残して、明日は涸沢経由で上高地に下山することにしました。





三日目(北穂高小屋→涸沢→上高地)


2009.8.9(日)

<行程>

北穂高小屋(6:43)→涸沢ヒュッテ(9:33-10:10)→本谷橋(11:38-11:53)→横尾(13:00-13:35)→徳沢(14:31-14:45)→明神(15:32-15:42)→上高地(16:23)


夕べは遅くまで雷鳴が轟き、時折激しく音を立てて雨が降っていました。

今朝は雨も上がり、天気はまずまずのようです。

朝食前に山頂に上がって、景色を楽しみます。


常念岳上空の空が赤く焼けだしました。


常念山頂方面から日の出


八ヶ岳


八ヶ岳遠望


常念岳と浅間山、四阿山


常念と浅間、四阿山


前穂、南アルプス、富士山


前穂、南アルプス、富士山


昨日歩いた槍→北穂の稜線     遠く薬師岳や黒部五郎岳も見える


薬師・黒部五郎、眼下に槍平小屋


笠ガ岳          奥に白山


笠の奥に白山


出発前に槍をバックに記念撮影。 空模様が怪しくなったのでカッパの下だけ着用します。

涸沢ヒュッテを目指して下山開始です。


槍をバックに、北穂山頂にて  涸沢ヒュッテとテン場


奥穂・ジャンダルム・涸沢岳


涸沢岳・ジャンダルム・奥穂高岳


鹿島槍を遠望


鹿島槍遠望


エゾシオガマとミソガワソウ


エゾシオガマ  ミソガワソウ


ヒュッテではヘリの空輸中です。


涸沢ヒュッテとヘリ空輸

9:33  涸沢ヒュッテに到着しました。 一服して上高地までのんびり降ります。


涸沢ヒュッテ


16:23 無事上高地に戻りました。

今回の山行は初日が雨に降られ、結構辛いものとなりましたが、メインの二日目がまずまずの天気で、「キレット超え」という所期の目的を達成することが出来ました。

折角予備日を設定していたのですから、二日目は南岳小屋に泊まり、三日目にキレットを越えて穂高岳山荘まで足を伸ばせば、前穂のピークを踏んで下山することも出来たでしょう。

もっともそれは結果論で、三日目の天候が崩れていれば、停滞して天狗原に降った可能性もあった訳で、「天候と時間帯」を判断材料にして渡れる時に渡ってしまうのがベストかもしれません。

やはり岩稜歩きは楽しいです。今後とも体力、状況判断力、ルートファインディング力の向上に努めるとともに、安全装備の充実を図り、安全で楽しい山行を続けて行きたいと思います。



























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コメント

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はじめまして

とても参考になって面白かったのでコメントさせてもらいました!
私もいつか、槍~大キレット~穂高を縦走したいと思っているので
自分が登っている気分でブログを読みました(^^)

長谷川ピークの写真はすごいですね!
写真でこれだから、実際はもっとすごいんでしょうね。
参考にさせてもらいます!

ようこそ!

やまんちゅさん、ようこそ!
コメントありがとうございます。
この縦走は天候、時間、体力の要素で何度か「決断の時」があり、とても思い出深い山行でした。

やまんちゅさんはクライミングもなさっていらっしゃるのですね。
遠征は大変でしょうが、是非この夏トライしてみてください。
岩稜歩きは楽しいですね。
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横浜生まれで現在は柏の住民です。
野球はドラゴンズ、サッカーはレイソルを熱烈に応援しています。
妻のポチと楽しく山を歩いています。

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