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荒川三山、赤石岳周遊(2011.10.7-9)

表紙1 


昨年から南アルプスへ行く機会が増えました。

柏から登山口へのアクセスが比較的楽なこと、充実した山行が楽しめる割に混雑しないことなどが大きな要素でしょうか。

北部については農鳥岳を除きほぼ名峰と言われる山々は登ることが出来、最近は南部の山々に目が行っていました。

当初は9月の連休を利用して、荒川三山・赤石岳・聖岳の百名山3座を周回するロングコースを計画していましたが、相次ぐ台風の襲来でアクセスの林道が不通になったりして、計画実行に至りませんでした。

そうこうしている内に、コース上の「百間洞山の家」と「聖平小屋」の営業が終わってしまい、聖岳はあきらめざるを得なくなりました。今年最後のチャンスのこの三連休、移動性高気圧に覆われて中部山岳はどこも好天が期待できるとのこと、計画を縮小して荒川三山と赤石岳を周遊することにしました。
それでも、3000m峰6座(内百名山2座)の贅沢な山旅です。

最近の連休時の人気山域の混雑は尋常ではありません。 ドラ吉得意の時間差戦法で連休一日前に入山しました。





<ルート図>

荒川三山・赤石岳ルート図

クリックすると大きくなります


一日目(椹島~千枚小屋)


2011年10月7日(金)  晴れ     ドラ吉単独行


<行程>

椹島ロッジ(9:05)→鉄塔下(10:00-10:05)→小石下(10:43)→清水平(11:36-11:46)→駒鳥池(13:40-13:50)→千枚小屋(14:26)



10月6日(木)、仕事を終え帰宅、急いで入浴と夕飯を済ませ、21:00に畑薙第一ダム夏期臨時駐車場を目指します。
常磐道、首都高、東名と乗り継いで静岡へ向かいます。先日の台風の被害で県道南アルプス公園線は各所で寸断されていて、大井川鉄道千頭駅を経由する国道362号ルートしか畑薙に行くことが出来ません。この362号、国道とは名ばかりで山間部は一車線しかなくすれ違いも儘ならず、まさに「酷道」、神経を使います。

途中、高速のPAで二時間ほど仮眠を取り、臨時駐車場には3:00に到着しました。

東海フォレストの送迎バスの始発は8:00、暫しの仮眠を取ります。


5:30起床、明るくなって周囲を見ると駐車の車は20台ほど、無人の車(すでに入山中)もありバスには余裕で乗れそうです。

尚、この臨時駐車場には仮設トイレはありますが、飲料の自動販売機はありません。


畑薙第一ダム臨時駐車場



7:00を回った頃、送迎バスがやってきました。 運転手さんが降りて来て、一人一人に声を掛け、バスの前に集合するように促しました。

バスの定員は28名、28名近くいれば早めに発車するとのことでしたが、残念ながら20名に満たず、定刻の8:00まで待つことになりました。 8:00直前に駆け込んでくる人もいて満車になり、結局定刻に発車しました。

乗車前に3000円払い(系列の山小屋の料金の内金に充当されます)、初日の宿泊地を伝えます。
今回はドラ吉と同じ千枚小屋組が19名、赤石小屋組8名、聖平幕営1名、やはり反時計回りが多いようです。


送迎バス



バスは約一時間かけて東俣林道を椹島に向けて進みます。 途中何か所も土砂崩れを応急処置したところを通過しました。 聞けばこの夏、台風6号、12号、15号と三度も通行止めになったとか、自然の猛威を改めて思い知りました。

8:55椹島に到着しました。 ここでトイレと給水を済ませ、いよいよ二泊三日の山旅のスタートです。


椹島ロッジ着



ロッジ裏手の斜面を登り、東俣林道に戻り、大井川本流に掛かる鉄橋(滝見橋)の手前左から、千枚小屋に向かう登山道に入ります。


登山口



すぐに大井川に注ぐ奥西河内に掛かる吊り橋を渡り、本格的な山道ととなります。川に沿って進み徐々に高度を上げ、やがて川音も聞こえなくなり、尾根に到達します。


吊り橋を渡って



先行するベテラン登山者の落ち着いたペースに合わせて、静かな尾根道を進みます。 赤ペンキマークもしっかりしていて、安心して歩けます。


尾根道を行く



歩き始めて2:30、清水平に到着しました。 水量豊かな水場です。 ここでコンビニおにぎりを食べ、小休止を取りました。


清水平



凹状の道が現れました。かつて木材の搬出に使用した「木馬道(きんばみち)」です。


木馬道



椹島から標高差1500mを5:20で登り詰め、今夜の宿泊地の千枚小屋に到着しました。 ずっと樹林帯の道で、10月のこの時期でもモンベルのジオラインの長袖シャツ一枚で汗びっしょり、夏場は相当辛いルートだと思います。

2009年6月に焼失した千枚小屋、今シーズンまでは仮設小屋で営業しています。来夏の再建目指して工事の真っ最中でした。


千枚小屋着



仮設のプレハブ小屋。 受付・売店・食堂・厨房はここ。


仮設の小屋



食事つき宿泊者は「月光荘」に宿泊します。本館焼失前は寝具付き素泊まりの登山者に当てがわれていた宿泊施設です。

連休一日前で空いていて、Colemanの寝袋二枚プラス毛布三枚を使用することが出来、快適な夜を過ごすことが出来ました。トイレは清潔な水洗トイレです。


月光荘



小屋は東面の斜面にあり、正面に富士山が優雅な姿を見せています。


正面に富士



東南方向には特徴的な双耳峰の笊ヶ岳、「南アルプスの展望台」として知られています。


笊ヶ岳


お楽しみの夕食は17:00から。 メインは鳥唐揚げの大根おろしがけ。品数も多く大変美味しかったです。


夕食




18:30にはシュラフの中に潜り込みます。 さすが静岡県、愛知県のラジオ放送が良く入ります。
贔屓の中日ドラゴンズのナイター中継を聞きながら、心地よい眠りにつきました。



夜中にトイレに起きると、満天の星空。天の川はもちろん、昴もしっかりと見ることが出来ました。






二日目(千枚小屋~悪沢岳~中岳~前岳~赤石岳~赤石小屋)



2011年10月8日(土)  晴れ


<行程>

千枚小屋(5:30)→千枚岳(6:10-6:15)→丸山(6:53-6:58)→悪沢岳(7:28-7:38)→中岳(8:32)→前岳(8:43-8:48)→荒川小屋(9:34-10:05)→大聖寺平(10:34)→小赤石岳(11:40-11:45)→赤石岳(12:16-12:20)→分岐(12:33)→富士見平(14:00-14-05)→赤石小屋(14:27)




4:30起床。 

今日は今回の山旅のメインイベント、3000m峰6座を巡り歩きます。

5:00から朝食、バナナ一本添えの心遣いがうれしいです。


朝食


5:30、最初のピークの千枚岳(2880m)を目指して小屋を発ちます。

小屋のすぐ裏からジグザグを切って高度を上げて行きます。 この時期、5:30になればヘッ電なしで歩くことが出来ます。

歩き始めて間もなく、背後の樹木の間から朝日が差し始めました。


夜明け



進行左前方の赤石岳、小赤石岳も赤く染まり始めました。 本当に立派な山体です。


赤石・小赤石



振返ると、朝日と富士と雲海、素晴らしい光景が広がります。


雲海と富士



千枚岳山頂、360度の展望です。


千枚岳山頂



MTBを担いだ青年が登ってきました。 どうやって椹島まで下るのでしょう?


MTBを抱えて


これから向かう丸山(右)と悪沢岳(左)

名は体を表す、丸山はまさに丸い山です。


丸山と悪沢岳



千枚岳からの登山道はやせ尾根と岩場で慎重に下ります。

やがて登山道はなだらかになり、丸山へと続きます。

たどり着いた丸山(3032m)の山頂はだだっ広く、遮るものがなく、強風が吹いていました。

丸山は3000mを越えていますが、主峰(悪沢岳)の付属峰と見做され、日本100高山にもランクインしていません。
(これから向かう前岳、小赤石岳も同様)


丸山山頂



丸山を後に悪沢岳(荒川東岳)に向かいます。 登山道は荒涼とした岩稜帯となります。


悪沢岳に向かう



ガレ場を越えて山頂を目指します。 中央奥が悪沢岳山頂。


正面が悪沢岳のピーク



7:28、千枚小屋から2:00で悪沢岳(3141m)山頂に立つことが出来ました。

遮るものがない絶景が広がります。 さすがに寒くニット帽が欠かせません。


悪沢岳山頂にて



ケルンの奥に見えるのは塩見岳。 5日前にはあのピークに立っていた訳で、感慨も一入です。


ケルンと塩見岳




悪沢岳山頂から。 手前から小赤石岳、赤石岳、聖岳。


悪沢岳山頂から



しばらくのんびりしたいところですが、風も強くロングコースなので、先を急ぎます。

荒川中岳へは一旦コルまで急降下します。 岩場とザレた九十九折りの道で今回の山行中で一番神経を使いました。


荒川中岳・前岳に向かう



中岳に下る途中、進行左手に絶景が広がります。

赤石岳の左奥に聖岳、右奥に兎岳・中盛丸山・大沢岳、いつかは歩いてみたい魅力的な稜線です。


赤石の左奥に聖岳、右奥に兎岳・中盛丸山・大沢岳



いよいよ中岳が目前に迫ってきました。 山頂直下に避難小屋も小さく見えます。


中岳が迫る



今度は進行右手に南ア北部の名立たる名峰が目に入ってきました。

左から仙丈、塩見、甲斐駒、間ノ岳、西農鳥、農鳥、百名山4座の魅惑のスカイラインです。


左から仙丈、塩見、甲斐駒、間ノ岳、農鳥岳




通過してきた悪沢岳を振り返ります。九十九折の登山道がかすかに見えています。


通過してきた悪沢岳




中岳避難小屋、夏山シーズン中は管理人が常駐していますが、10月のこの時期は無人の小屋です。
それでも小屋は新しく、快適に過ごせそうです。

小屋の右奥に中岳のピークも見えています。


中岳避難小屋



8:32、荒川中岳(3083m)に到着。 山頂標識の向こうに南アルプス北部の名峰がくっきり。


中岳山頂



荒川前岳はすぐ目の前、こちらから見るとのっぺりした山頂ですが・・・・・。

因みに、右肩に延びる登山道は高山裏避難小屋を経由して、三伏峠に至る道です。


前岳へ



荒川前岳山頂(3068m)


前岳山頂



山頂の西側は荒川大崩壊地で、ビックリする光景が広がっていました。


前岳の西側は荒川大崩壊地



この頃から雲が湧き上がってきました。富士は相変わらず頭の先をちょこんと見せているだけです。


雲が湧く




正面に赤石岳を見ながら、荒川小屋を目指してカールを下ります。 前岳東南斜面(写真の右側斜面)は南アルプス有数のお花畑です。


荒川小屋へ下る



荒川小屋が見えて来ました。 お花畑は鹿除け柵で囲われています。


荒川小屋が見えてきた



登山道は鹿除け柵と交差します。 合計4回、開け閉めしました。


鹿除けネット



千枚小屋から四時間で荒川小屋に到着しました。 この小屋もウッディーな素敵な小屋です。
10日の小屋締めを控え、スタッフの女性が最後のシュラフ干しに忙しそうでした。

ここでタップリ30分の休憩を取り、赤石岳への登り返しに備えます。


荒川小屋



荒川小屋を出発、振返ると悪沢岳(右)と前岳(左)が大きく裾野を広げていました。


前岳と悪沢岳



赤石岳と荒川岳の鞍部、大聖寺平(写真中央)に向かいます。 なだらかなトラバース道がとても気持ち良かったです。


 
大聖寺平へのトラバース



大聖寺平の標識。 静岡県の北端、間ノ岳からこちらは全て特種東海製紙の社有林だとか、そのスケールの大きさにビックリです。

ここ大聖寺平で天竜川の支流の小渋川を遡行する登山道を併せます。  その昔、ウォルター・ウエストンも通ったクラシックルートです。


大聖寺平



僅かにハイマツの生える砂礫地を小赤石(右)を目指して黙々と進みます。


小赤石(右)への登り



中々山頂は近づいてくれません。


小赤石(右)へあとわずか




11:40、漸く小赤石岳(3081m)の山頂に立つことが出来ました。


小赤石岳山頂



これから向かう赤石岳本峰も雲が薄くベールのように纏わりついています。

一旦コルまで下って登り返します。


赤石岳に向かう




本日最後のピーク、赤石岳(3120m)に到着です。  連休初日の今日、椹島から大倉尾根を登ってくる登山者が到達できる時間ではなく、山頂にはドラ吉の他には二人しかいませんでした。

山頂標識の奥の尾根の真ん中に、ポツンと写っている点が赤石小屋です。


赤石岳山頂標識と赤石小屋



百間平に下る登山道と聖岳。


百間平に下る登山道と聖岳



眼下に赤石岳避難小屋、評判の良い小屋のようです。


赤石岳避難小屋



コルに戻り、赤石小屋を目指して降下します。


赤石小屋を目指して降下開始



小赤石岳側のカールを下りながら、赤石岳を振り返ります。


赤石岳を振返る



カールに発した流れに沿って、谷筋をどんどん下ります。


谷筋を下る



やがて、左手尾根のトラバース道に移ります。岳樺は9月の台風と残暑と突然の寒気に痛めつけられて、黄葉する前に枯れて落葉していました。この秋の南アルプスの紅葉は大はずれのようです。

この辺りで漸く下から登ってくる登山者とすれ違うようになりました。


トラバース道へ移る



ハイマツ帯の平坦地「富士見平」です。富士山の絶好の撮影地ですが、今日は残念ながら雲に隠れてその姿を見ることが出来ませんでした。代わりに北側の悪沢岳の雄姿をしっかり目に焼き付けました


富士見平から悪沢岳を望む



14:27、赤石小屋に到着しました。本日の行動時間は8:57でした。

少し飛ばし気味で、さすがにちょっと疲れました。


赤石小屋


連休初日で小屋の混雑が心配でしたが、やはり千枚小屋に集中したようで、十分なスペースを確保することができました。


赤石小屋内部



小屋前のベンチでご褒美のビールで乾杯、しかし残念ながら赤石岳にはガスがかかり展望も無く、早々に部屋に戻って読書で時間を潰します。

17:00、楽しみな夕食の時間、今日は二回戦でした。

豚の生姜焼き、味も量も申し分なく、明日への元気を頂きました。




赤石小屋夕食






三日目(赤石小屋~樺段~椹島ロッジ)


2011年10月9日(日) 晴れ


<行程>

赤石小屋(5:15)→樺段(5:48-5:53)→椹島ロッジ(7:50)




4:00、十分な睡眠で気持ち良く目が覚めました。

今日は訳ありで、朝食を摂らず、下山を開始します。

5:15、ヘッ電を点けて小屋を発ちます。

スタートして暫くして、樹間から富士が顔を見せてくれました。 今朝は雲海も低く、絶好の撮影日和のようです。


樹間から富士



椹島を目指し、ひたすら大倉尾根を下ります。  かなりな急傾斜が続きます。

特種東海製紙の前身「東海紙料」の創業者、大倉喜八郎(旧財閥、大倉組の設立者)が大正15年に「自らの所有地の一番高い所に行きたい」とのことで、人足200人に支えられ駕籠に乗って赤石岳に登った道だそうです。


大蔵尾根をひたすら下る


大井川の瀬音が聞こえるようになると、いよいよこの山旅もラストスパートです。

そろそろ膝に来るころ、東俣林道に降りる鉄梯子に到着しました。


やっと林道にたどり着く



7:50、今回の山旅の終点、椹島ロッジのレストハウスに無事帰着しました。

朝食も食べずに急いで下山した訳とは・・・・・・。


レストハウスに帰着


その訳とは・・・・・、

レストハウスのアメリカンブレックファーストが食べたかったのです。

実はドラ吉、味噌汁ご飯の朝食が苦手で、パンが食べたくて仕方なかったのです。


モーニングセット


帰りのバスは10:30発。

薪ストーブの柔らかな温かさの下、コーヒーをお代わりしながら、「岳人」のバックナンバーを読みながら過ごす贅沢な時間。 最後まで最高の山旅でした。


薪ストーブ



送迎バスに揺られて戻った臨時駐車場は満車状態、一日のアドバンテージで混雑を回避して楽しく歩くことが出来ました。

来年の夏には聖岳から時計回りにもう一度歩いてみたいと思います。


満車の駐車場
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テーマ : 山登り
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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時間差

ドラちゃんお帰りなさい。
素晴らしい南ア・・・さすが時間差攻撃で小屋も食事も最高だったね。

単独行

BAKUさん、コメント有難うございます。

思っていたほど混雑することなく、南ア南部の山々の大きさをたっぷり実感することが出来ました。

花の無い時期で、単独行ということもあり、「ただひたすら歩く」感じとなって、せっかちな山行となり、反省することしきりです。

聖岳に行くときは花の季節に、と考えています。
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Author:kdorakichi
横浜生まれで現在は柏の住民です。
野球はドラゴンズ、サッカーはレイソルを熱烈に応援しています。
妻のポチと楽しく山を歩いています。

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